ゴールデンボンバー「令和」に見る世の中の巻き込み方

新曲「令和」で話題をかっさらったゴールデンボンバー。
新元号の発表にともなう「あやかり合戦」の勝者的な扱いを受け、「乗っかり感がさすがすぎるwww」「ビジネスチャンスをうまくとらえた」などと言われていますが、個人的にはその捉えられ方にちょっと違和感を感じています。

ムーヴメントに乗っかったのは彼等なのではなく、
彼等が起こしたムーヴメントに世の中が乗っかった。

そんな気がしてなりません。
ということで、たまには真面目に語ってみようと思います。

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なぜ新元号発表がこんなにもお祭り騒ぎになったのか

天皇の生前退位は200年ぶりです。
ということは、生前退位にともなう新元号の発表を人々がどう感じるのか、世間がどんな風に受け止めるのかも完全に未知数だったと言えると思います。

世間の空気を読めずにはしゃいだ企画をぶちあげてしまえば、あやかるどころか「不謹慎」だと眉をひそめられて悪目立ちしてしまいかねません。

そんな失敗をしなくてすむ方法とはなんでしょうか?
1つは「空気を見極めてから後乗りすること」。
もう1つは「空気を読むのではなく、自らに都合の良い空気をつくること」ではないでしょうか。

ファッションの流行と同じです。
各シーズンのトレンドカラーを実際のシーズンの約2年前にインターカラー(国際流行色委員会)という組織が決めて、そこから流行はつくられていきます。

今回の「新元号の発表はめでたい!」という世間の空気も、新元号の発表を「ビジネスチャンス」や「日本に何となく蔓延する閉塞感を打破するチャンス」にしたいと考えた人たちがつくって盛り上げたていったという側面が強いように思います。

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いち早く、お祭りであると発信したゴールデンボンバー

そのようななか、音楽業界でいち早く新元号の発表や新元号への移行をお祭りととらえて発信したのがゴールデンボンバーです。

新元号ソングをどこよりも早く制作・発表・発売するべく、新元号が発表される4月1日に制作の様子を生配信しながらなるべく早いYou TubeへのPVアップを目指す。
という旨が公表されたのは、2019年の1月17日でした。

まだ新元号発表に対する世間の反応が未知数の時期に、いわば新元号の発表でお祭り騒ぎをしますよ!と公表したわけです。
今までも型破りなことを散々やってきて、世間の空気から少しズレても「ゴールデンボンバーがまた面白いことをやってるw」と不思議に許容される立ち位置をつくりあげてきたゴールデンボンバーだからこそできた発表だったと思います。

新元号発表や元号が変わることを皆で楽しもう、一緒に盛り上がろうというメッセージが1月の段階で発信されたこと。
そして、その発信が世間に叩かれず、おおむね好意的に受け入れられた、面白がられたということは、「新元号の発表はめでたい!」という空気づくりに少なからず貢献したのではないでしょうか。

ゴールデンボンバーは令和ブームに乗っかったのではなく、「不謹慎」だと叩かれるリスクを負いながら「これはお祭りだ」という自分たちに有利に働くムーブメントをつくったわけです。

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話題のつくり方と世の中の巻き込み方

実は、新元号ソングをどこよりも早く発表するという点では、ゴールデンボンバーは1番にはなりませんでした。

新元号発表からわずか30分ほどでレペゼン地球がYou Tubeにシングル「令和」をアップし、1時間ほどでキュウソネコカミも歌詞に令和を入れ込んだ「ギリ昭和~完全版~」をアップしたからです。

ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんは、生配信の中でこうなることはわかっていたというような発言をしていました。
おそらく、「どこよりも早く」とは言いつつもそこに重点は置いていなかったのでしょう。

「どこよりも早く発表する」ことではなく、「どこよりも早く発表すると、どこよりも早く発表する」ことでゴールデンボンバーは優位性と話題性を確保したのです。

彼等は、作詞作曲・レコーディング・PV作成はほぼ終わっていて、あとは新元号という最後のピースをはめるだけであること、新元号発表からおよそ数時間でPVをYou Tubeにアップできる見込みであることなど、段取りを初めから明かしていました。

早い段階で手の内を明かせば、そこに先んじる者が出てくるのは当たり前のことです。
むしろ、ゴールデンボンバーは発表当日に新元号ソングを発表するアーティストが何組も出ることで、より楽しいお祭り騒ぎになり、「誰が一番だったか」などと話題性が大きくなることを狙って、1月の段階で情報を発信したのかもしれません。

鬼龍院さんは4月2日のブログでレペゼン地球とキュウソネコカミについて触れて、「とても好き」「胸熱!」などと語りました。
また、レペゼン地球も「令和」の動画概要欄でゴールデンボンバーの曲についてリスペクトするコメントを掲載していますし、キュウソネコカミのヤマサキセイヤさんも4月3日のブログでゴールデンボンバーとレペゼン地球について好意的なコメントをしています。

さらに、ゴールデンボンバーの公式Twitterでは、「令和」をジャマイカン風にアレンジしたユーチューバーの動画などを積極的にリツイートしたり、「令和」で赤ちゃんが泣き止むというツイートを受けて検証動画をアップしたりと、話題を次々に提供中です。

競争の中で一番になることや、「これをやったのは自分たちだけ!」という独自性も大切ですが、一番も独り占めもパイが小さくてはあまり意味がありません。
それよりも「皆でお祭り的に盛り上がろう!楽しもう!」というスタンスでいくことで、ムーヴメントや話題性をより大きくし、世間を巻き込んでいくという戦略の有効性をゴールデンボンバーが示してくれたように思います。

 

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